| 要約 |
著者らは2006年以降,オルソグラスを併用して,簡便に罹患指と隣接指のみを伸展ブロックするナックルキャスト法(以下,本法)を行ってきた.2015年以降本法行った89例93指のうち,最終調査時の可動域が把握できた53例55指を検討した.本法によるギプス固定を医師が行った後,処方を受けセラピィの介入を開始した.固定直後より積極的な手指自動運動を指導し,さらに罹患指と隣接指以外は日常生活においてもできるだけ多く使用するよう指導した.X線にて仮骨形成確認後にギプス除去となり,その後2週間のbuddy-tapingを行った.4指を除き全例骨癒合を認め,指の回旋変形を残した症例は認めなかった.ギプス除去までの期間は平均16日であった.最終調査時の関節可動域はMP関節屈曲平均84度/伸展平均25度,PIP関節は屈曲平均97度/伸展平均3度と良好であった.Reyesらの評価基準ではexcellent49指,good6指であった.本法では,罹患指と隣接指以外のMP関節は十分伸展でき,特に,環・小指の骨折では,大きな物をつまむ事も可能であった.そのため,ギプス療法中でも患側の手が“使える手”となり,その使用を促すことでQOL向上のみならず骨癒合にも有利に働いたと考えた. |