| 要約 |
手指屈筋腱損傷修復後の問題は,修復腱の癒着による運動障害である.屈筋腱損傷修復後のセラピィは癒着回避に早期運動療法を行うと同時に成績に影響する要因のPIP関節の拘縮予防・浮腫軽減などのセラピストが対応し得る事項に対して積極的に予防的アプローチを行うことが肝要である.それでも,one wound-one scar conceptの観点からすれば癒着は完全に防止できない可能性を残す.腱の滑走に影響を及ぼすレベルの癒着が発生してしまった場合は,癒着を形成する瘢痕組織を腱滑走が妨げられない柔軟な組織に変化させるアプローチを的確に行う必要がある.それには癒着の部位・範囲・程度を見極め,変化を確実にとらえる評価が行えることが求められる.また,その上で満足いく結果が得られなければ手術的な治療を検討する.手術的治療を行う場合には最大限の関節可動域の獲得や術後の腱滑走を行える十分な筋力を備えるための訓練が必要である. |