| 要約 |
指尖部損傷のハンドセラピィは,損傷指の機能だけでなく整容的な視点を含めたUseful Handの獲得を目指すことが重要である.そこで指尖部損傷のハンドセラピィ戦略として,「機能解剖,手術法の理解」,「PIP・DIP関節の関節可動域の拡大」,「知覚再教育」を要因として考案した.指尖部は「末節骨」,「爪」,「指腹部」から構成されており,損傷部の組織修復が重要である.指尖部損傷は指尖切断が多く,外科治療において手外科医は疼痛がなく感覚の保たれた丈夫な皮膚に被覆された損傷部を目指した再建術が施行される.指尖部損傷後はPIP,DIP関節に関わる伸筋腱の滑走を考慮したアプローチがROMの拡大につながると考えられる.知覚再教育においては,損傷した知覚受容器の改善とともに,知覚中枢の変化を促すような治療が必要となる.症例報告では前述のハンドセラピィ戦略を適用して改善を得たので,若干の考察を加えて報告する. |