| 要約 |
尺側手根伸筋(ECU)腱鞘炎における安静肢位を検討するために,異なる前腕および手関節肢位においてECU筋収縮による発生張力および張力方向を調査し,ECU腱鞘への伸張ストレスを検討した.健常成人6名を対象としてECUへの電気刺激による筋収縮に伴う発生張力および張力方向を計測した.計測肢位は前腕回内位,中間位,回外位のそれぞれで,手関節掌屈位,中間位,背屈位の計9肢位とした.結果,発生張力は前腕肢位の影響を受けず,手関節背屈位において僅かであるが有意に高値を示した.張力方向は,前腕肢位においては回外位,手関節肢位においては掌屈位が有意に尺背側方向を示した.このことから,前腕回外位が最もECU腱の尺側偏位を助長し,手関節掌屈位においても同様のストレスを発生させることが示唆された.ECU腱鞘炎に対するスプリントは,回内位を原則とし,手の使用状況から止むを得ず回外位とする場合は掌屈位にて作成することが望ましい. |