| 要約 |
母指CM関節症に対する装具療法は諸家により良好な成績が報告されており,我々も過去に良好な成績を報告している.今回,臨床症状のみでなく,母指CM関節の脱臼率にも改善が得られるのか調査した.今回,装具作製時と装具装着3か月経過後にVisual Analog Scale(以下VASと略す),Hand20,pulp pinch力(以下pinch力と略す),脱臼率を測定した35例35手を対象に効果判定と脱臼率と臨床症状との相関関係の調査を行った.VAS,Hand20,pinch力は有意な改善が得られたが,脱臼率には有意な改善が得られなかった.同様にVAS,Hand20,pinch力と脱臼率には相関関係が認められなかった.しかし脱臼率の増悪は認められず,改善を認めた症例も少なからず存在し,装具療法を行うことで関節の安定性に寄与していることが認められた.徐々に装具を除去していく中で,背景に合わせたADL指導と定期的なフォローを行うことで,再発も予防できると考えられた. |