| 要約 |
今回,病態の異なる胸郭出口症候群(TOS)により投球障害を訴えた高校球児2例のセラピィを経験した.【症例1】10代男性.症状は右前腕から手尺側のしびれと上肢のだるさ,投球時の肘内側痛であった.外傷歴なし.病態は,鎖骨下部での腕神経叢(BP)の癒着,肋鎖間隙でのBPの圧迫,肩甲骨下垂によるBPの牽引であり,これらに対し肩甲骨周囲筋の強化,BPの滑走拡大,肋鎖間隙の拡大を図り12週で復帰した.【症例2】10代男性.症状は右上肢全体のしびれと投球時の肘内側痛であった.試合中に転倒し頚部を受傷し1年後に上記症状が発症した.病態は,斜角筋によるBPの絞扼,肋鎖間隙でのBPの圧迫,肩甲骨下垂によるBPの牽引であり,外傷性TOSに準じたセラピィを行い13週で復帰した.投球障害では投球動作に起因するものか,外傷性TOSに起因するものなのか,外傷歴と斜角筋拘縮,BPの滑走制限の有無を確認する必要がある. |