| 要約 |
筋腱移行術は,喪失した運動機能を回復させる有力な運動機能再建術の一つである.術後は再建した運動機能を十分に活用し,実用的な手を獲得するためにハンドセラピィが行われる.ハンドセラピィでは,供与筋に共同筋を用いていない場合は,筋再教育による運動再学習の訓練を段階的に行う.まず,最初に供与筋従来の運動指令にて再建した運動方法を認識する.次に再建した新たな運動指令で供与筋を活動させる.そして,様々な生活動作の中で供与筋を使えるように訓練し,最終的には手を自在に使えるような高いパフォーマンスを獲得させる.これら筋の機能転換訓練には,一般的に期間や練習量を要し,課題ごとに反復練習が必要である.手が使いやすいという動作体験の反復は脳神経系に可塑性をもたらし,やがて機能特性は定着し機能再建のゴールとなる.評価は手のフォームや作業速度,力の調整,協調的な動作,円滑な動き,効率化などを評価する必要があり,その確立が課題である. |