| 要約 |
外傷手ではさまざまな組織が障害される.とくにこれらが重複して損壊する複合組織損傷の手では,関節拘縮や軟部組織の癒着が起こりやすい.損傷組織や重症度,再建方法などによって難易度が変化する.有用な手の獲得には早期からの適切なセラピィを要し,ゴール設定やセラピィ施行上考慮すべき点が多い.複合組織損傷のハンドセラピィを施行するためには,治療環境の整備が必要である.治療環境ではクリニカルラダーに沿ったハンドセラピィの教育体制を整えること,シンプルな外傷手の術後プロトコルを作成すること,損傷組織と修復方法を整理するために組織別表を使用することが必要である.さらに画像評価やスライドを集積し,部門内で共有することで大きな教育効果が期待できる.また,医師のカンファレンスに参加することにより,患者に関する情報の共有が可能になり,スムーズなリハビリテーション導入が可能になる. |