| 要約 |
肘関節は骨折等の外傷後に不動・固定を強いられることによって容易に関節拘縮を惹起するため,手術によって解剖学的整復位が得られれば可及的早期に関節可動域訓練を開始する必要がある.我々は,組織の修復時期や治療段階に応じて術後早期から肘関節動的装具療法を導入し,円滑な屈曲可動域の改善へ向けて取り組んでいる.今回,Szekeresによって報告されたthe static progressive flexion cuffに使用された矯正時に加わるベクトルに関する数学モデルを参考に,肘関節動的装具療法中の自由体図を作成したのち,三角関数を用いた矯正トルクの算出方法を設定した.本研究において矯正トルクを定量的に算出した試みにより,年齢や性別などの個人的な因子を問わずにモーメントアームや拘縮角度を加味して質量変換することで実際の矯正トルク量を相互比較することが可能となった.また,装具療法中の過矯正を避けるために,最終関節可動域に応じた矯正力を確認することにもつながり,後療法の効果や安全性を検討する上でも重要な指標になり得ると考える. |