| 要約 |
手指基節骨および中手骨骨折に対する保存療法として,石黒らはナックルキャストにてMP関節を70度以上の屈曲位固定とした上での早期運動療法を提唱し良好な成績を報告している.当院でも石黒らに準じ固定装具をスプリント材で作製しているが,スプリント作製時にMP関節70度以上の他動屈曲が困難な症例が散見される.そこで,本研究ではスプリント作製時のMP関節屈曲角度とスプリントの修正時期および回数,治療成績を調査した.初回作製時,MP関節屈曲70度以上でスプリントを作製できたのは14例中5例であり,作製後1~3週の間に適合調整を行なった.全例骨癒合が得られ,最終観察時の平均%TAMは95.6%と良好な成績であった.浮腫などから初回スプリント作製時にMP関節屈曲70度以上を目指すことは困難な場合が多いが,もともと転位がないまたは転位の軽度な安定型の骨折では,MP関節他動屈曲角度が小さくても良好な最終成績を獲得できる可能性がある. |