| 要約 |
手部切断例における切断後の機能獲得方法については議論が分かれ,現在でも十分な検討が必要である.手部切断における義手は手関節が固定された様式で作製された場合,手関節機能が残存した症例ではかえって機能低下を招くことも考えられる.そこで今回,手関節遊動式の能動義手を考案し,その有用性を検討した.症例は母指から環指の中手骨,小指はMP関節レベルで切断受傷し,前医で粗大なつまみの獲得を目指したが実用するに至らず,当院に義手作製目的で紹介受診となった.当院初診時,手関節の良好な可動域が維持されていたことから,手関節機能を生かした能動義手を考案,作製し義手訓練を開始した.最終評価時における上肢簡易機能検査とThe Southampton Hand Assessment Procedureはともに全検査項目で手関節固定時より,所要時間の短い動作が可能であり,高度な機能低下を呈した手部切断例における治療の選択肢の1つとして,従来の能動義手よりも有用であると考えられた. |