| 要約 |
本研究は,示指から小指のPIP関節屈曲30度での固定が握力に及ぼす影響を調査することを目的とした.対象は,成人男性10名20手である.測定は,Smedley式デジタル握力計を用い,上肢体側下垂式にて実施した.測定肢位は固定をしない握り方,示指,中指,環指,小指のPIP関節を30度屈曲位固定した握り方とした.中指・環指のPIP関節固定時に約20%の握力低下を認め,小指PIP関節固定時には3~7%の握力低下にとどまった.Smedley式握力計は,持ち手が中節部に接触するため中節骨に停止する浅指屈筋(以下,FDS)の筋力を反映し,PIP関節を屈曲30度に固定したことによりFDSの筋収縮を制限し筋力低下を招いた可能性がある.また持ち手が一直線のため,基準を示指とすれば小指は持ち手に接触する面積が少なくなり,小指の筋出力が発揮されにくいと推測した.臨床でPIP関節に屈曲約30度の拘縮が生じた場合3~20%の握力低下を引き起こす可能性が示唆された. |