| 要約 |
中手骨骨折はMP関節の伸展拘縮をきたしやすいが,今回我々は,屈曲拘縮に陥った症例を経験した.これらの症例の拘縮に陥った原因を明確にするために,内固定法別にMP関節の可動域を後ろ向きに調査し,解剖学的特徴や手術内容を明確にしたうえでの,セラピィの工夫を検討した.対象は,当院で手術療法を施行した15例16指であった.手術療法は,k-wire横止め固定(以下K群)とplate固定(以下P群)の2群で,骨癒合の有無,抜釘時期,術後1か月と3か月に罹患指のMP関節自動可動域,%total active motion(%TAM)を調査した.骨癒合は全例に認められ,抜釘はK群が全例平均7週に,P群は3例が平均11か月経過時に行われた.MP関節の自動伸展可動域は,術後1か月時点ではK群がP群より有意に不良であった.K群は,術式において内在筋や側副靭帯に侵襲が加わる可能性があり,これら軟部組織の拘縮によりMP関節伸展可動域に影響を及ぼすと推測される.屈曲運動のみならず,術後早期より自動伸展運動も行うことが肝要であると考えた. |