ハンドセラピィとは(日本ハンドセラピィ学会の歴史)

ハンドセラピィとは

ハンドセラピィ(Hand Therapy)とは、手に損傷や障害を受けた人が、再び「Useful Hand(実際に生活する手)」を獲得するために行われる包括的な治療です。
手の外傷治療から始まった手外科の発展に伴って、ハンドセラピィでは上肢の構造とその修復に関する知識、上肢の機能を向上させる技能がその中核として培われてきました。
これはハンドセラピィが手の機能の改善に特化しているという面を際立たせますが、ハンドセラピィの本質は、学術的な研究や技術の革新によって体系化された知識や技能を、対象者の生活や個別性に合わせて創造的に展開し、対象者の生活を再構築することです。
この科学的かつ豊かな創造性は、手の外傷のみにとどまらず、手の先天異常、リウマチの手、内科疾患による神経障害などの治療へと広がり、現在では、脳機能に着目した治療戦略など多く分野の手の障害を治療の対象としています。さらに、この確かな知識と技能は認定制度として高められ、一定水準を持つハンドセラピストのための教育システムが本学会を含む世界各国の学術団体によって構築されています。

日本ハンドセラピィ学会(Japan Hand Therapy Society)

日本ハンドセラピィ学会は1988年に任意団体として発足しました。
その始まりは、当時すでに世界的な手外科医であった初代顧問の故田島達也教授が、1970年から1980年代にかけて、日本ハンドセラピィ学会およびハンドセラピストの育成に理想と情熱を持って取り組まれた時代に遡ります。
その頃のハンドセラピィは、米国で芽吹いた理念が1977年にASHTとして発足するまでに成長し、1980年には手外科医の国際的な学会として第1回IFSSHがオランダで開催されると、ハンドセラピィもまたセラピストの国際的な組織化に向けて歩み始めた時代でした。
こうした国際情勢をよくご存知だった田島教授のもとに集い、準備を重ねてきた6名の発起人により、日本ハンドセラピィ学会が発足しました。
以来、本学会は学術集会の開催や学術誌の発刊などの学術的な活動のほか、ハンドセラピィの知識・技能の研鑽と、質の高いハンドセラピスト育成のための各種講習会の開催や、IFSHTおよびAPFSHTにおける国際的な貢献と交流などに精力的に取り組み、2009年には認定ハンドセラピスト制度を設立、2012年には法人格を取得し、一般社団法人日本ハンドセラピィ学会として、ハンドセラピィの発展を推進しています。

沿革

1980年 ハンドセラピィ研究会発足
1988年 日本ハンドセラピィ学会発足
1989年 IFSHTに正式登録
第1回学術集会開催(以降年1回開催)
2004年 APFSHT発足と正式登録
2006年 日本ハンドセラピィ学会誌創刊(以降毎年発刊)
2008年 20周年記念誌発行
2009年 認定ハンドセラピスト制度設立
2012年 法人格取得(一般社団法人 日本ハンドセラピィ学会)
2015年 研究助成制度制定
2016年 「精密知覚機能検査」保険収載
留学支援制度制定